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加藤泰監督「真田風雲録」(1963)

こんばんは。
今一番好きな時代劇映画「真田風雲録」(1963)についてお話ししたいと思います。ちょっとネタバレしちゃうので、これから観る予定のある方はお気をつけ下さい。

 

 

加藤泰監督「真田風雲録」(1963年)

あらすじ

慶長5年と言えば、徳川と豊臣が天下を二つに分けての関ヶ原の決戦で名高いその戦場で、戦場泥棒の浮浪児、お霧らは、巨大な隕石の放射能の影響で、目が紫色に光ると、さまざまな不思議な現象を起こし、しかも人の心が読めるというはなれ猿の佐助と出遭い、また別れる。やがて、十数年が過ぎ、天下は再び風雲急を告げ、徳川と豊臣の決戦の火蓋が再び切られようとしていた。そんな中、再び佐助と出遭ったお霧たち一行は大阪へと向かう。そこで、カッコいい大将・真田幸村と意気投合し、真田十勇士を結成。いよいよ大阪冬の陣が始まったが、大将の大野修理は戦には消極的。結局、休戦となり大阪城の堀だけが埋まってしまった。徳川に術中に嵌った豊臣方は元和元年大阪夏の陣を起こすが、大阪城は炎上。カッコ良く死ぬために…佐助たちは最後の戦いの場を探すために、また歩き始めるのだった。(C)東映

 (引用:真田風雲録(予告編) - YouTubeより)

 

この作品を観たのは、確か2015年の5月くらいだったと思います。ラピュタ阿佐ヶ谷で初めて観ました。この作品を観た時とてもショックでした。こんな昔にこんな面白い時代劇がすでにやっていたなんて、これから私はどうしたらいいんだ・・・!(少しオーバーでは?いやいや!)そう思うくらい本当に凄い映画でした。

 

この映画では、あの萬屋錦之介さんが目からビームを出します。あと透明人間にもなります。人の心を読むこともできます。時代劇にとって殺陣は重要な要素の一つですよね。話がそんなに面白くなくても、ある程度クオリティの高い殺陣が見られれば、お客さんは満足した気分になれると思います。その殺陣が上手い錦之介さんが、ほとんど刀を使わずに、目からビームを出しながら歩いて、敵をいなしているではありませんか。いいのか!?いや、いいんです。これは萬屋錦之介さんがやっているから、なおさら面白いのです。

この映画の凄いところはそれだけではありません。歌います。しかも、演歌とか民謡とか、小唄とかでもありません。なぜかミッキー・カーチスさんがギターを持って登場します。映画が公開された当時の流行りっぽい歌、というか今風な歌を歌うんです。歌を歌う時代劇はこの映画以外にもあるんですが、(大映の「初春狸御殿」とか、「花笠道中」とかの美空ひばりさんが出演されているような時代劇は大体彼女が歌いますよね) 「真田風雲録」は、まるで時代劇にはミスマッチな歌を歌うんです。合唱とかもします。歌詞も面白いです。

例えば
真田隊マーチ

(わっわっわっわっ ずんぱぱっ!)
織田信長の謡(うた)いけり
人間わずか五十年
夢まぼろしのごとくなり…
…かどうだか知っちゃあいないけど!
やりてえことを
やりてぇなぁー
てンでカッコよく死にてぇなぁー
人間わずか五十年
てンでカッコよく死にてぇなぁー!
(わっわっわっわっ ずんぱぱっ!)

 

なんじゃこれは・・・w 文だけ見る分にはそう思われるかもしれませんが、映画を観ると、とてもいい歌だなぁと感じます。自分もカッコよく死にたいです。

映像の編集の仕方も興味深いです。本来横構図のものが縦になったり、2重にエフェクトがかかったり、カット割りも面白いです。

演出はまるで漫画やアニメのようです。猿飛佐助が下からにゅっと突然現れたり、戦うシーンでは途中で、ジェリー藤尾さんが笛を吹いて交通整備したり、忍者集団がユニゾンした動きで出てきたりします。(文章だけじゃ伝わらない…!でもあえて画像は載せません。想像して下さい…)

登場人物は一応実在の人物を取り扱っていますが、だいぶ演出されています。千秋実さんが演じる真田幸村は頭はよくキレていますが、ちょっと胡散臭いおっちゃんというか、あんまり強そうに見えませんw 豊臣秀頼はずっとあやとりして遊んでいるし、いかにもおぼっちゃんという感じ。千姫はキャピキャピ系女子。むささびのお霧は本当は雲隠才蔵という男の忍者ですが、この作品では女性という設定で、名前もお霧だし、戦う時の格好は網タイツ履いてますw 淀君(お茶々殿)は顔がドーランで真っ白!(これがあの秀吉を魅了した女性なのか…!?)秀頼には「ヒデさん!」言い、かなり親バカな感じです。ほかにも濃ゆいキャラクターが登場します。なんだか見ていると、現代社会の縮図のようにも見えてきて、ただのコメディではなく、シニカルなにおいを感じます。

 

とにかく笑いが止まりません。でも最後は物悲しい感じです。そこがまたいい。散々笑わせておいて、最後の持っていきかたは憎い演出だなと思います。

 

真田風雲録」はこんなに面白いのに、公開された当時はさほど評価されなかったそうです。まだ時代劇が人気の時でしたから、お客さんも普通に格好いい錦之助さんが見たかったのかもしれません。いわゆる勇ましい真田十勇士の話ではありませんから、期待を裏切られた気分にもなったでしょう。

 

私はこの作品が印象に残りすぎて、他の真田ものがあまり見れません…。真田幸村とか見ると、千秋実さんを思い出して、いや、違う!と思ってしまいます。(どっちが違うんだよw)例えば、近年放送された大河ドラマ真田丸」なんかそうですね。脚本が三谷幸喜さんということで、少し気になりましたが、うーん、もっと振り切っちゃってもいいのに…と感じる場面が多々ありました。私にとっては痒いところに手が届かなくて、気持ち悪いような感じです。あくまで個人的な感想ですが。

 

それぐらい強烈な印象を受ける「真田風雲録」。どちらかといえばマニアックです。いわゆるチャンチャンバラバラする時代劇を期待していた方には、良い意味でも悪い意味でも大きく期待を裏切られることでしょう。しかし、これも時代劇だと私は思います。時代劇の枠組み自体、はっきりとした定義がなく、未だに議論されています。これを良しとするか、否かは、是非ご覧になってから考えて頂きたいと思います。

 

なななんと、ずっと名画座でしか観られなかったのに、1年前くらいにDVD化したようです。↓

 

真田風雲録

真田風雲録

 

 

予告編↓

真田風雲録(予告編) - YouTubeyoutu.be

 

「真田隊マーチ」↓

林光: 真田風雲録 10 - YouTubeyoutu.be

 

オススメです!

 

峰丸プロダクション

岡村峰和

 

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